ポケモン映画の名作ランキング|歴代劇場版から心に残る傑作を厳選

夕暮れの映画館を思わせる幻想的な空間で冒険と友情と別れの余韻を感じる風景 映画

ポケモン映画の名作を4軸で選ぶと、総合1位は『水の都の護神』。興収1位は『ミュウツーの逆襲』です。

2021年の1226票による人気投票、興行成績、物語の完成度、大人になってからの再鑑賞性を分けて確認し、歴代23作から「今もう一度観たい10本」を選びました。2020年公開の『劇場版ポケットモンスター ココ』はシリーズ23作目と案内されています。ねとらぼ+1

  1. ポケモン映画の名作ランキングTOP10は?
  2. 1位~3位はなぜ名作?『水の都』『ミュウツー』『ダークライ』を比較
    1. 1位『水の都の護神 ラティアスとラティオス』|年月を越えて残った余韻
    2. 2位『ミュウツーの逆襲』|72.4億円を記録したシリーズの原点
    3. 3位『ディアルガVSパルキアVSダークライ』|映画館で観たい壮大さ
  3. 4位~7位は「泣けるポケモン映画」を探す大人にもおすすめ
    1. 4位『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』|誤解の向こう側まで描く
    2. 5位『劇場版ポケットモンスター ココ』|親になった世代ほど響く
    3. 6位『七夜の願い星 ジラーチ』|終わりが決まっている7日間
    4. 7位『結晶塔の帝王 エンテイ』|人気投票16位でも上位に入れた理由
  4. 8位~10位は冒険・神話・群像劇で選ぶならこの3本
    1. 8位『幻のポケモン ルギア爆誕』|これぞ夏休みの大冒険
    2. 9位『アルセウス 超克の時空へ』|対立の原因を過去までたどる
    3. 10位『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』|強くない人にも役割がある
  5. ポケモン映画はなぜ興行収入と人気ランキングが違う?
  6. 大人になってポケモン映画を見返す意味とは?筆者の考察
  7. まとめ|ポケモン映画の名作1位は『水の都』、興収1位は『ミュウツー』
  8. よくある質問
    1. ポケモン映画で一番人気の名作はどれですか?
    2. 歴代ポケモン映画で興行収入1位はどれですか?
    3. 大人が見ても泣けるポケモン映画はありますか?

ポケモン映画の名作ランキングTOP10は?

結論からいうと、総合1位は『水の都の護神 ラティアスとラティオス』、2位は『ミュウツーの逆襲』、3位は『ディアルガVSパルキアVSダークライ』としました。

ただし、この順位は「興行収入が高い順」でも「人気投票をそのまま並べた順位」でもありません。

今回の選定では、外部人気評価35%、興行成績20%、物語の完成度25%、大人が見返したときの再鑑賞性20%を目安にしています。

外部人気の中心資料は、ねとらぼ調査隊が2021年1月24日から2月23日まで実施した「あなたが好きなポケモン映画は?」です。第1作『ミュウツーの逆襲』から『ココ』まで23作品を対象に、1226票が集まりました。ねとらぼ+1

興行成績は、テレビ東京が2013年8月8日に公表した過去15作品の資料、日本映画製作者連盟などの公表値を軸に確認しています。テレビ東京資料では、1998~2012年の15作品で総動員約6421万人、総興収680.3億円でした。テレ東・BSテレ東

順位は次の通りです。

順位 作品名 公開年 2021年ねとらぼ投票 興収・参考値 主な魅力
1位 水の都の護神 ラティアスとラティオス 2002 1位・253票 26.7億円 世界観、別れ、余韻
2位 ミュウツーの逆襲 1998 2位・207票 72.4億円 原点、生命と存在
3位 ディアルガVSパルキアVSダークライ 2007 3位・164票 50.2億円 壮大さ、ダークライ
4位 ミュウと波導の勇者 ルカリオ 2005 5位・98票 43.0億円 信頼、誤解、献身
5位 劇場版ポケットモンスター ココ 2020 4位・100票 20.2億円 親子、家族
6位 七夜の願い星 ジラーチ 2003 6位・62票 45.0億円 出会いと別れ
7位 結晶塔の帝王 エンテイ 2000 16位・16票 48.5億円 孤独、親子
8位 幻のポケモン ルギア爆誕 1999 7位・56票 62.0億円 王道の大冒険
9位 アルセウス 超克の時空へ 2009 15位・17票 46.7億円 神話、過去と因果
10位 劇場版ポケットモンスター みんなの物語 2018 9位・41票 30.9億円 群像劇、再出発

2021年投票では『水の都の護神』253票、『ミュウツーの逆襲』207票、『ディアルガVSパルキアVSダークライ』164票が上位3作でした。4位『ココ』100票、5位『ルカリオ』98票、6位『ジラーチ』62票と続きます。ねとらぼ

一方、テレビ東京が公表した1998~2012年の興収では、『ミュウツーの逆襲』72.4億円、『ルギア爆誕』62.0億円、『ダークライ』50.2億円、『結晶塔の帝王 エンテイ』48.5億円などとなっています。『水の都の護神』は26.7億円でした。テレ東・BSテレ東+1

ここですでに、面白い違いが見えてきます。

公開時に最も多くのお客さんを集めた作品と、20年近くたってから「好き」と選ばれる作品は同じとは限りません。

私はこの違いこそ、ポケモン映画を今ランキングで振り返る面白さだと感じています。

なお、2026年7月3日更新のマイベストでは『水の都の護神』が1位、『幻影の覇者 ゾロアーク』が2位、『アルセウス 超克の時空へ』が3位、『結晶塔の帝王 エンテイ』が4位です。マイベスト

ただし、ここは大切な注意点です。

マイベストの掲載対象は「全4選」で、23作品全部を並べたファン投票ではありません。順位もクリック数、検索トレンド、外部ランキングなどを参照した独自基準です。したがって今回は、23作品を比較する主資料ではなく、別角度から評価を見るための補助資料として扱いました。マイベスト

このように「誰が・いつ・何作品を対象に・どう選んだ順位なのか」を分けておくと、ランキングの数字に振り回されにくくなります。


1位~3位はなぜ名作?『水の都』『ミュウツー』『ダークライ』を比較

1位『水の都の護神 ラティアスとラティオス』|年月を越えて残った余韻

私が1位に選んだのは、2002年公開の『水の都の護神 ラティアスとラティオス』です。

2021年のねとらぼ投票では253票を集めて1位。1226票のうち約20.6%にあたり、2位『ミュウツーの逆襲』の207票を上回りました。ねとらぼ

舞台は、ベネチアをモデルにした水の都アルトマーレです。

公式サイトでは、サトシたちがポケモン水上レースをきっかけにラティアスと出会い、ラティオスやカノンたちと関わるなかで、秘宝「こころのしずく」を狙う怪盗姉妹ザンナーとリオンの事件に巻き込まれる物語と紹介されています。ポケットモンスターオフィシャルサイト

この映画の良さは、大きな敵との戦いだけにありません。

石造りの街、水路、秘密の庭、柔らかな光、ラティアスとサトシの距離感、そしてラティアスとラティオスの絆。そのすべてが重なって、ほかのポケモン映画とは少し違う静かな余韻を生んでいます。

興行収入は26.7億円。テレビ東京資料では、1998~2012年の15作品中で決して上位の数字ではありません。テレ東・BSテレ東

それでも約19年後の2021年投票では1位になりました。

ここが私にはとても興味深いんですね。

ヒットの大きさだけなら72.4億円の『ミュウツーの逆襲』に届きません。それでも長い年月のあとに「一番好き」と答える人が多かった。

私はそこに、映画には「公開時の強さ」と「記憶に残り続ける強さ」があると感じます。

『水の都』は、楽しかった旅行の最終日に夕暮れの駅で帰りの電車を待つような映画です。

楽しかったからこそ、終わるのが少し寂しい。

子どものころはラティアスたちとの冒険を追い、大人になると別れや、もう戻らない時間に心が向く。観る年齢によって味わいが変わる再鑑賞性を高く評価し、1位にしました。

※画像はAIによるイメージ

2位『ミュウツーの逆襲』|72.4億円を記録したシリーズの原点

1998年公開の第1作『ミュウツーの逆襲』は、歴代ポケモン映画を語るなら外せない一本です。

2021年投票では207票で2位。テレビ東京のシリーズ資料では動員654万人、興行収入72.4億円で、1998~2012年の15作品中トップでした。ねとらぼ+1

さらにORICON NEWSは2024年3月、2020年の『ココ』まで23作品が公開された時点でも、『ミュウツーの逆襲』の72.4億円がシリーズ最高興収だったと伝えています。オリコンニュース(ORICON NEWS)

物語の中心にいるのは、人の手によって生み出されたミュウツーです。

公式サイトでは、ミュウツーがサトシたちをポケモン城へ誘い、自ら作り出したコピーポケモンとサトシたちのポケモンを対峙させる物語が紹介されています。ポケットモンスターオフィシャルサイト

大人になって見返すと驚くのは、第1作から「自分は何者なのか」という問いを物語の中心に置いていることです。

生まれ方によって命の価値は変わるのか。

コピーとオリジナルの間に、本当に優劣はあるのか。

子ども向けだからと単純な善悪に逃げず、冒険の中へ存在そのものの問いを持ち込んだ。その大胆さは、今見ても色あせにくいと感じます。

今回2位にしたのは作品の格が下という意味ではありません。

原点性、社会的インパクト、興収ならむしろ1位候補です。それでも「今夜もう一度一本観るなら」という再鑑賞性で、私は『水の都』をほんの少し上に置きました。

3位『ディアルガVSパルキアVSダークライ』|映画館で観たい壮大さ

3位は2007年公開の『ディアルガVSパルキアVSダークライ』です。

2021年投票では164票で3位。日本映画製作者連盟の2007年興行成績では50.2億円を記録し、その年の邦画2位でした。ねとらぼ+1

時間を司るディアルガと空間を司るパルキア。

そこにダークライが絡み、アラモスタウンが異常事態へ巻き込まれていきます。

伝説のポケモン、時空の衝突、巨大な建造物、音楽。

「せっかく映画を観るなら、テレビシリーズより一回り大きな世界を味わいたい」という気分に、まっすぐ応えてくれる作品です。

ただし、私が評価したのは派手さだけではありません。

周囲から恐れられるダークライを、第一印象だけで悪者と決めつけないところに、この作品の温かさがあります。

人でもポケモンでも、「怖そうだから」「みんなが嫌っているから」という理由だけでは本当の姿は分からない。

大きなスペクタクルの中にそんな視点が入っているからこそ、何年たっても物語が古びにくいのだと思います。


4位~7位は「泣けるポケモン映画」を探す大人にもおすすめ

4位『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』|誤解の向こう側まで描く

2005年公開の『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』は、2021年投票で98票の5位でした。

興行収入は43.0億円。日本映画製作者連盟の2005年資料でも43.0億円が確認できます。ねとらぼ+1

公式サイトによると、ロータの町でサトシがアーロンの杖を手にしたことから、数百年の封印を解かれたルカリオが現れます。そのころミュウに連れ去られたピカチュウを追い、サトシとルカリオは「世界のはじまりの樹」を目指します。ポケットモンスターオフィシャルサイト

胸に残るのは、ルカリオが過去について抱えていた思いです。

自分から見えていた事実だけでは、相手の行動の本当の意味が分からないことがある。

これは大人になるほど分かる感覚ではないでしょうか。

若いころなら「裏切った、裏切られた」と白黒をつけたくなったことも、年齢を重ねると「相手には相手の事情があったのかもしれない」と考えられるようになります。

私は『ルカリオ』を、単なる友情物語ではなく、誤解したまま別れてしまう怖さと、真実を知ることの重さを描いた作品として見ています。

5位『劇場版ポケットモンスター ココ』|親になった世代ほど響く

『劇場版ポケットモンスター ココ』は2020年12月25日公開のシリーズ23作目です。2021年のねとらぼ投票では100票を集め4位でした。ねとらぼ+1

主人公ココは、人間でありながら幻のポケモン・ザルードに育てられ、自分をポケモンだと思って生きてきた少年です。

公式サイトでは、自分がポケモンなのか人間なのかという疑問を抱くココと、森の掟に反して彼を育てたザルードを通じて、ポケモンと人間、親子の愛が問われる物語として紹介されています。ポケットモンスターオフィシャルサイト

この設定がとても効いています。

血がつながっているから家族なのか。

一緒に生き、守り、悩み、送り出そうとすることが親なのか。

子どもの立場から観るのと、親の立場を知ってから観るのとでは、ずいぶん印象が変わる映画だと思います。

私は、40代・50代になって久しぶりにポケモン映画へ戻る方に、実はかなりおすすめしたい一本です。

昔はサトシ側から見ていたポケモンの世界を、今度は「育てる側」の気持ちから味わえるからです。

6位『七夜の願い星 ジラーチ』|終わりが決まっている7日間

2003年公開の『七夜の願い星 ジラーチ』は、2021年投票で62票の6位でした。

興行収入は45.0億円。日本映画製作者連盟の2003年資料にも45.0億円と記録されています。ねとらぼ+1

この作品の核になるのは、ジラーチと一緒にいられる時間が限られていることです。

楽しい時間なのに、最初から終わりが見えている。

だから、一日一日の価値が少しずつ重くなっていきます。

大人になると、こういう物語は不思議なくらい胸に入り込んできます。

昔の友人、以前の職場で仲良くしていた人、旅先で出会った人。

ずっと一緒だったわけではないのに、なぜか忘れない人っていますよね。

長さではなく、濃さで残る時間がある。

『ジラーチ』には、そんな短かったからこそ大切になった時間の感覚があります。

7位『結晶塔の帝王 エンテイ』|人気投票16位でも上位に入れた理由

2000年公開の『結晶塔の帝王 エンテイ』は、今回あえて7位に入れました。

2021年ねとらぼ投票では16票で16位。一方、2026年7月更新のマイベストでは、掲載された4作品のうち4位です。興行収入は48.5億円でした。ねとらぼ+2マイベスト+2

投票順位だけを使うなら、TOP10には入りません。

それでも上位にしたのは、子どもの孤独をファンタジーへ置き換えた物語が、大人になってから見返すとかなり違って見えるからです。

孤独や寂しさから生まれた願いが、本人の手を離れて膨らんでいく。

ここには「悪い人を倒せば全部解決」という分かりやすさがありません。

子どもが見れば不思議な結晶世界とエンテイの物語ですが、親世代になって見ると「この子は何を求めていたのだろう」という視点が強くなります。

人気投票と筆者順位が大きく違うからこそ、今回の4軸評価を象徴する一本になりました。


8位~10位は冒険・神話・群像劇で選ぶならこの3本

8位『幻のポケモン ルギア爆誕』|これぞ夏休みの大冒険

1999年公開の『幻のポケモン ルギア爆誕』は、2021年投票で56票の7位です。

テレビ東京資料では動員560万人、興行収入62.0億円。シリーズ最高の『ミュウツーの逆襲』72.4億円に次ぐ大きな数字です。ねとらぼ+1

海、島、伝説のポケモン、世界を揺るがす異変。

今見ると、「夏休みに映画館へ行く」という行事そのものまで思い出させてくれるような作品です。

40代・50代の方なら、自分が夢中になったというより、お子さんと一緒にポケモンを追いかけた記憶と結びついている方もいるでしょう。

映画の名作は、完成度だけで決まるものではないと私は思っています。

作品を観たときの季節、隣にいた人、帰りに食べたものまで連れて帰ってきてくれる映画もある。

『ルギア爆誕』は、そんな「記憶込みの名作」として強い一本です。

9位『アルセウス 超克の時空へ』|対立の原因を過去までたどる

2009年公開の『アルセウス 超克の時空へ』は、2021年投票では17票の15位でした。

一方、2026年7月のマイベストでは掲載4作品中3位。日本映画製作者連盟による2009年興行成績は46.7億円で、その年の邦画2位です。ねとらぼ+2マイベスト+2

私が面白いと思うのは、「今怒っている相手を倒せば終わり」という構造ではないところです。

現在の対立には過去がある。

過去の出来事を知らなければ、なぜ怒っているのかも、本当の解決方法も見えてこない。

大きな神話世界を使いながら、やっていることは意外なほど人間的です。

私たちの身近な人間関係でも、目の前の言い争いだけを見ていると原因を間違えることがあります。

その意味では、派手な伝説ポケモン映画としてだけでなく、「原因まで戻って考える物語」として見ると味わいが増します。

10位『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』|強くない人にも役割がある

2018年公開の『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』は、2021年投票で41票の9位でした。

興行収入は30.9億円。テレビ東京グループの資料でも、2018年に30.9億円を記録した作品として紹介されています。ねとらぼ+1

舞台は、人々が風とともに暮らすフウラシティです。

公式サイトでは、年に一度の風祭りへやってきたサトシとピカチュウが、ポケモン初心者の女子高生リサ、嘘がやめられないカガチ、自信を持てない研究家トリト、ポケモンを嫌うヒスイ、謎の少女ラルゴと出会う物語として紹介されています。ポケットモンスターオフィシャルサイト

ここが、ほかの作品とは少し違います。

全員が最初から勇敢なわけではありません。

自信がない人もいる。嘘をついてしまう人もいる。過去の出来事から前へ進めない人もいる。

それでも一人ひとりに役割がある。

会社でも家庭でも、「もっとしっかりしなくては」と少し疲れているとき、この映画の優しさは案外よく効きます。

完璧になってから誰かの役に立つのではなく、迷ったままでも一歩ずつ誰かと関わっていけばいい。

私はそこに、大人が見返す価値を感じて10位に選びました。

※画像はAIによるイメージ

ポケモン映画はなぜ興行収入と人気ランキングが違う?

今回のランキングで最も注目したいのは、興行収入と後年の人気投票がきれいには一致しないことです。

テレビ東京の2013年資料では、『ミュウツーの逆襲』72.4億円、『ルギア爆誕』62.0億円、『ダークライ』50.2億円、『結晶塔の帝王 エンテイ』48.5億円などが上位。一方、『水の都の護神』は26.7億円でした。テレ東・BSテレ東

しかし2021年の1226票の人気投票では、『水の都の護神』253票で1位、『ミュウツーの逆襲』207票で2位、『ダークライ』164票で3位です。ねとらぼ

『水の都』は『ミュウツー』の半分にも届かない興収なのに、約19年後の投票では上回ったことになります。

これは「興収は信用できない」という話ではありません。

むしろ、測っているものが違うと考えたほうが自然です。

興行収入には、作品そのものの魅力に加えて、当時のポケモンブームの大きさ、公開規模、映画料金、宣伝、家族で映画館へ行く習慣など、公開時の環境が影響します。

特に第1作が公開された1998年は、ポケモンという存在そのものの勢いが非常に大きかった時代です。

一方、何年もたった後の「好きな映画」投票には、時間を経ても残った場面や、自宅での再鑑賞、思い出補正なども表れやすいでしょう。

ですから私は、興行収入を「公開された瞬間の強さ」、後年の人気投票を「記憶の中で残り続ける強さ」として見ると分かりやすいと考えています。

ここで、古い興行データにはもう一つ注意したい点があります。

日本映画製作者連盟の1998年資料では、『ミュウツーの逆襲』は「配給収入」41.5億円、1999年の『ルギア爆誕』は35.0億円と掲載されています。日本映画製作者連盟は2000年から興行収入による発表へ切り替えています。Eiren+2Eiren+2

つまり、1998年資料の41.5億円と、テレビ東京が後年公表した興収72.4億円を「数字が食い違っている」と考えるのは正しくありません。

配給収入と興行収入は別の指標だからです。

古い作品ほど、この違いを知らずに数字だけ並べると誤解しやすくなります。

ランキング記事では地味な部分ですが、私はこうした「同じように見える数字をきちんと分けること」が、作品への敬意にもつながると思っています。

また、2021年の1226票も、すべてのポケモンファンを代表する万能な調査ではありません。

正確には「ねとらぼ調査隊がその期間に実施したアンケートで1位だった」です。ねとらぼ

同じように、2026年7月のマイベストで『水の都』が1位だからといって、「2026年に全国のファンが投票して1位になった」という意味ではありません。

マイベスト自身が、クリック数、検索トレンド、外部人気ランキングなどを参考に独自順位を作成したと説明しています。しかも掲載対象は4作品です。マイベスト

この違いを明確にしておくと、「1位」という言葉の意味がぐっと分かりやすくなります。


大人になってポケモン映画を見返す意味とは?筆者の考察

ここからは、映画好きとしての私見です。

今回10作品を並べて強く感じたのは、評価され続けるポケモン映画には「子ども向けの冒険」と、その奥にあるもう一つの物語が同居していることです。

『ミュウツーの逆襲』には、存在する意味があります。

『水の都の護神』には、出会いと別れがあります。

『ルカリオ』には、信頼と誤解。

『エンテイ』には、孤独と家族。

『ココ』には、血のつながりだけでは説明できない親子の関係があります。

子どものころは、伝説のポケモンが登場しただけで胸が高鳴ったものです。

ところが大人になると、ポケモンそのものより、親の表情や別れ際の気持ち、誰かを信じ切れなかった後悔のような部分へ目が向きます。

映画は変わっていません。

変わったのは、観ているこちら側です。

私はここに、ポケモン映画を40代・50代になって見返す一番の面白さがあると思っています。

たとえば『七夜の願い星 ジラーチ』。

若いころなら「7日間の不思議な冒険」と感じたものが、大人になると「限られた時間を誰かと過ごせるありがたさ」に見えてくることがあります。

『結晶塔の帝王 エンテイ』も同じです。

昔はサトシ側から事件を追っていたのに、今観ると、孤独を抱えた子どもや、それを取り巻く大人のほうが気になるかもしれません。

私は映画をスイーツに少し似ていると感じることがあります。

同じケーキでも、若いころに食べたときと、仕事を終えた休日の午後にゆっくり味わったときでは、心に残る部分が違います。

作品も同じなのでしょう。

10年、20年という自分の時間が加わることで、昔は見えなかった味が出てきます。

その視点で今回のランキングを見ると、『水の都の護神』がとても象徴的です。

興収26.7億円だった作品が、2021年の投票で253票を集めて1位になりました。テレ東・BSテレ東+1

私はこれを、「興収では測れない名作がある」という単純な結論にはしたくありません。

興収も大切な記録ですし、人気投票も一つの調査にすぎません。

ただ、映画には公開時の数字とは別に、時間がたってから育っていく評価があることは確かに感じます。

これからポケモン映画を一本選ぶなら、単純な総合順位だけではなく、「今どんな気分か」で選んでみるのがおすすめです。

壮大な冒険に浸りたい夜なら『ダークライ』。

原点を味わいたいなら『ミュウツーの逆襲』。

親になった今の自分で観るなら『ココ』。

誰かとの別れを静かに受け止めたいなら『水の都』や『ジラーチ』。

夏休みのような懐かしさへ戻りたいなら『ルギア爆誕』でしょう。

一番の名作を決めることより、今の自分に一番合う名作を見つけること。

それが、23作品という長い歴史を持つポケモン映画の楽しみ方なのではないでしょうか。


まとめ|ポケモン映画の名作1位は『水の都』、興収1位は『ミュウツー』

今回のポケモン映画名作ランキングでは、外部人気評価35%、興行成績20%、物語の完成度25%、大人になってからの再鑑賞性20%を目安に10作品を選びました。

総合1位は『水の都の護神 ラティアスとラティオス』です。

同作は2002年公開時の興収が26.7億円だった一方、2021年の1226票による投票では253票を集めて1位になりました。テレ東・BSテレ東+1

歴代興収1位は『ミュウツーの逆襲』の72.4億円です。2024年のORICON NEWSでも、『ココ』まで23作品が公開されたシリーズの最高興収として紹介されています。オリコンニュース(ORICON NEWS)

こうして数字を比べると、ポケモン映画には「公開した瞬間に大きな力を持った作品」と「年月が過ぎても好きと言われ続ける作品」の両方があることが見えてきます。

私のように休日にのんびり映画を楽しむ立場からすると、ランキングは勝ち負けを決める表ではありません。

「そういえば、あの映画をもう一度観てみたいな」

そう思い出すための入口です。

温かい飲み物と好きなお菓子でも用意して、昔観た一本を久しぶりに選んでみてください。

画面の中にいるポケモンたちは昔と同じでも、そこから受け取る気持ちは、きっと少し変わっていると思います。


よくある質問

ポケモン映画で一番人気の名作はどれですか?

調査方法によって変わるため、絶対的な1位は決められません。

2021年1月24日~2月23日にねとらぼ調査隊が実施した1226票のアンケートでは、『水の都の護神 ラティアスとラティオス』が253票で1位でした。2位は『ミュウツーの逆襲』207票、3位は『ディアルガVSパルキアVSダークライ』164票です。ねとらぼ

歴代ポケモン映画で興行収入1位はどれですか?

1998年公開の『ミュウツーの逆襲』です。

テレビ東京が2013年に公表したシリーズ資料では72.4億円、動員654万人。2024年のORICON NEWSでも『ココ』までの23作品でシリーズ最高興収とされています。テレ東・BSテレ東+1

なお、日本映画製作者連盟の1998年資料にある41.5億円は「配給収入」です。興行収入72.4億円とは指標が異なるため、直接比較しないよう注意してください。Eiren+1

大人が見ても泣けるポケモン映画はありますか?

あります。

筆者なら、親子を描く『劇場版ポケットモンスター ココ』、信頼とすれ違いを描く『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』、限られた時間の出会いを描く『七夜の願い星 ジラーチ』を選びます。

昔観た作品ほど、家族や仕事、人との別れを経験した今だからこそ、当時とは違う場面に心を動かされることがあります。

著者:天水翔太(スイーツと映画を愛するのんびり副業ライター)