映画『八甲田山』あらすじ・みどころ・解説・感想

邦画

この記事では、1977年6月4日に公開された映画『八甲田山』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『八甲田山』の予告編

ロシアとの緊張関係が高まる中で陸軍に与えられた極寒での行軍演習。青森と弘前の2つの隊は冬の寒さ厳しい八甲田山を目指し歩く任務に就くことになります。

ロシアは冬の中でも戦う事になれた部隊であったため、どれほど日本の兵士が寒さに耐えて順調な行動をとれるか試したいと考えた日本の陸軍はあえて過酷すぎる使命を出しました。

この任務に2つの部隊は文字通り生死をかけて挑んでいくこととなります。

映画『八甲田山』のあらすじ(ネタバレなし)

国際情勢の緊迫化してきていた明治34年。友田少将から2人の大尉に冬の八甲田山を歩くことを事実上命じられます。

1人は青森歩兵第五連隊の神田大尉そして今一人は、弘前歩兵第三十一連隊の徳島大尉です。

既にロシアの南下政策は明らかで、冬の寒さに日本の兵が耐える事ができるか否か。そして必要とされる物資を輸送するには八甲田山を進む必要性がありその道を冬の中でも円滑に運べるか否かを事前に知るためにこの計画が立案されました。

極めて厳しい使命に、驚くばかりの徳島大尉。徳島大尉はこの計画は極めて達成するのが難しいと考えて、極めて少数精鋭で臨むこととしました。

これに対して青森から八甲田山を目指す神田大尉は、当初は少数精鋭で臨む予定でしたが、大隊長の山田少佐に拒否されます。

山田少佐は青森から八甲田山に進む距離が徳島大尉の進む距離より短いこともあり、対抗心が出て200名を超える人数で八甲田山を目指していきます。

映画『八甲田山』の解説

八甲田山は1977年に製作された日本映画です。明治時代に青森の部隊が実際に演習を行い199名の犠牲者を出した八甲田山での雪中行軍遭難事件を題材にして新田次郎が書いた小説、八甲田山死の彷徨を原作にした映画です。

日本映画界を代表する、高倉健と北大路欣也の豪華な共演です。極寒の中での撮影は当時は特撮技術がなかったため実際に雪山の中での撮影が行われ、北大路欣也の進退窮まったセリフが話題になった映画です。

撮影中、高倉健が、自分が体を温めるくらいなら先にスタッフを優先してくださいと配慮を見せる逸話があるなど高倉健の人柄がわかるエピソードが残っています。

エキストラはもちろん出演者にも凍傷する人を出すなど過酷を極めた悪条件の中で完成したこの映画は大ヒットし、第1回日本アカデミー賞で優秀作品を受賞するなど昭和時代を代表する日本の映画となりました。

映画『八甲田山』のみどころ

最初の見どころは徳島隊の順調な進み様子です。現地に詳しい女性を先頭にして進んでいきます。

そして案内役の女性への敬意を表して敬礼をするシーンは、生死をかけたぎりぎりの精神状態の中であってもお世話になった人には礼儀を忘れない規律の良さを見せていて見どころと一つといえます。

一方神田隊は、最短距離だったため、案内人はつけず大人数で進んでいきます。映画では山田少佐が、上官である事を理由に神田大尉の意見を入れようとしないいわば横やりを入れていくシーンも見どころです。

自分の思う通りいかず苦悩する神田大尉。そして方向すら分からず雪の中をさまよう神田隊の様子は見どころです。

人間が生死ぎりぎりの状況に追い込まれしまい、次第に理性を失っていく様は、人間の精神構造が次第に崩れていく様を克明に描いていてこの映画の大雪の中での行軍の厳しさを強調するシーンとして見どころといえます。

映画『八甲田山』の感想

2つの隊の指揮命令系統の差が明暗を分けてしまった過酷な人間ドラマだと感じます。

激動の時代に与えれた使命を遂行すべくひたすらゴールに向けて進んだ二つの集団。上層部のやり方で大いに結果が変わるという、今の時代の経営組織にも参考になる映画だと考えます。

映画『八甲田山』の登場人物・キャスト

映画『八甲田山』の登場人物・キャストを紹介します。

徳島大尉:高倉健
児島大佐:丹波哲郎
友田少将:島田正吾
中林大佐:大滝秀治
神田大尉:北大路欣也
村山伍長:緒形拳
山田少佐:三國連太郎
倉田大尉:加山雄三

映画『八甲田山』のスタッフ

映画『八甲田山』のスタッフを紹介します。

監督:森谷司郎
脚本:橋本忍
原作:新田次郎「八甲田山死の彷徨」
製作:橋本忍,野村芳太郎,田中友幸
音楽:芥川也寸志
撮影:木村大作
編集:池田美千子,竹村重吾