映画『路傍の石(ろぼうのいし)』のあらすじ・みどころ・解説・感想

邦画

この記事では、1938年公開の映画『路傍の石(ろぼうのいし)』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』の予告編

愛川吾一は成績優秀で向学心のある明治時代の小学生。父親は事業で失敗し酒ばかり飲んでいるため、家は貧しく才能がありながら旧制中学への進学は諦めざるをえない状況でした。

小学校卒業後、同級生の呉服屋へ丁稚奉公に出され、できの悪い同級生の麻太郎や初恋相手のおきぬに蔑まれ、つらい日々を送ります。そんなある日大好きな母がなくなった知らせを受ける吾一。

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』のあらすじ(ネタバレなし)

時は明治の末期、小学六年生の愛川吾一は、成績優秀で担任の次野先生もぜひ進学させたいと願うほど。

しかし、父の省吾は士族の生まれながら事業に失敗し酒に溺れ、家は貧しく、母のおれんの内職によってどうにか生計を維持していまいた。

優秀でありながら貧しさ故に進学の道を絶たれるなか、呉服屋のバカ息子の麻太郎が進学すると聞いて腹立たしく思う吾一。

小学校卒業後に麻太郎の実家の呉服屋に丁稚奉公に出た吾一は、好きだった自分お名前を奪われ五助と呼ばれ、つらい日々を送ることに。

その後突然に最愛の母を失い悲しみに暮れる吾一は、勤めを辞めると宣言し東京行きの汽車に飛び乗ったのです。

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』の解説

山本有三の原作を映画化したもので田坂具隆が監督を務めました。文部省教科映画の第一弾として日活多摩川と共同制作。天才子役として名を馳せていた片山明彦が主人公の少年を好演し話題を呼びました。

その後1955年、1960年、1964年に再映画化され、1964年度版では、シャア・アズナブルの声優として広く知られている池田秀一が子役時代に主演しています。

NHKでも2度ドラマ化。戦時中であった当時は子供を主人公にした作品が多く、様々な制約の中で子供の純粋さを描いた作品は作りやすく、万人受けしたからではないかと想像できます。

原作は検閲に引っかかり連載は中断され未完となっています。

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』のみどころ

国民的ドラマおしんを彷彿とさせる、ひたすら苦難に耐えて幸せをつかみ取るストーリーは日本人向き。

長い黒塀が続く川沿いの通学路を走る少年の下駄の音から始まる本作は、田坂具隆監督の少年吾一に寄り添った丁寧な演出によって自然に感情移入しやすいように作られています。

飲んだくれの父のせいで、向学心があり優秀でありながら貧しさゆえ進学の道を絶たれる吾一。

「お前の名前は素晴らしい名前なんだぞ、吾一とは「吾はこの世に一人しかいない」という意味なんだ、と先生に褒められ気に入っていた名前を奪われるなど丁稚奉公での冷遇の数々。

最愛の母の突然の死。ラスト、苦難を乗り越えた逞しい後ろ姿の吾一が歩み去るシーンまで、思いっきり感情移入してください。

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』の感想

次から次へと身に降り掛かってくる困難にめげず、苦学しながら成功をつかむ少年の姿を通して、あきらめず努力し続けることの大切さを説いていると思います。

どんな状況に置かれようとも、決して希望を失わない吾一。希望さえ持っていれば努力し続けられる、決して希望を失ってはいけないということを一番伝えたかったのではないでしょうか。

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』の登場人物・キャスト

映画の登場人物・キャストを紹介します。
愛川吾一:片山明彦
吾一の父・庄吾:山本礼三郎
吾一の母・おれん:瀧花久子
稲葉屋・黒子泰吉:井染四郎
泰吉の母・せい:吉田一子
久美田住江:澤村貞子
住江の妹・加津子:松平富美子
伊勢屋主人・喜兵衛:吉井莞象
伊勢屋番頭・忠助:見明凡太郎
伊勢屋女房・お糸:三井智恵子

映画『路傍の石(ろぼうのいし)』のスタッフ

映画のスタッフを紹介します。
監督:田坂具隆
脚本:荒巻芳郎
音楽:中川栄三
原作:山本有三
撮影:伊佐山三郎
録音:平林龍雄
編集:相良久