映画『マタンゴ』あらすじ・みどころ・解説・感想

邦画

この記事では、1972年3月20日に公開された映画『マタンゴ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『マタンゴ』の予告編

ある日、豪華なヨットに乗って海に繰り出した少年、村井研二ら7人の若い男女が、嵐によって遭難、無人島へと漂着してしまいます。

そこはカビとキノコに覆われた不気味な孤島。少数の食糧と未知のキノコ、「マタンゴ」の標本のみが残された島で、彼ら7人は、無事に救出され、この島を抜け出すことができるのでしょうか、、?

映画『マタンゴ』のあらすじ(ネタバレなし)

東京の病院で入院している青年が、かつて経験した恐怖の体験について語り出します。

青年の名前は村井研二。彼ら7人の若い男女は、豪華なヨットに乗って海へと繰り出したところ、嵐によって遭難、無人島へと漂着してしまいます。

そこはカビと不思議なキノコに覆われている、謎に包まれた孤島でした。残されたのは、少数の食料品と未知なるキノコ、「マタンゴ」の標本のみ。

そこで見つかった難破船には、生存者はおらず、船員が日々消えていくことやキノコを食べることの警告が記された日記が残っていました。果たして彼らは無事救出されるのでしょうか?

映画『マタンゴ』の解説

この映画は、ウィリアム・H・ホシズンによって書かれた「夜の声」を原作とし、翻案と脚本がされました。

当初はSFマガジンの「空想科学小説コンテスト」によって入選した作品の映像化が考えられていましたが、該当する作品がなかったため、当時編集長を務めていた福島正実さんによって原作が決定され、福島さん自身が脚色を手掛けました。

興行収入的にはあまり伸びは良くなかったものの、この作品と同時上映された青春映画、「ハワイの若大将」とのギャップが話題を呼び、現代でもSF、ホラーマニアの間では語り継がれる名作となっています。

映画『マタンゴ』のみどころ

この映画の見どころは、人間の人間らしい性格だと思います。悪人や善人といった明確な区別がなく、極限状態の人間の恐ろしさ、さらには人間ならではの葛藤や不安をありありと演じきっている俳優さんたちの演技は必見です。

しっかり作られた見応えのある人間ドラマとなっており、メッセージ性の高いストーリー展開とも相まって、脚本の完成度が非常に高いのもこの作品のポイントです。

終盤にかけて畳み掛けてくるかのごとく恐怖はこの作品の最大の魅力となっています。

CG技術の発展していない中、特撮の手法によって制作された圧巻のクオリティからは目が離せません。

映画『マタンゴ』の感想

日本ではあまり目にすることのない、独特な雰囲気を持っているホラー映画だと思います。人間の人間らしさが、その恐怖を増大させているように感じました。

どこか新しいホラー映画を探しているといった人にはぜひおすすめしたい作品です。

映画『マタンゴ』の登場人物・キャスト

映画『マタンゴ』の登場人物・キャストを紹介します。
村井研二:久保明
関口麻美:水野久美
作田直之:小泉博
小山仙造:佐原健二
吉田悦郎:太刀川寛
笠井雅文:土屋嘉男
相馬明子:八代美紀

映画『マタンゴ』のスタッフ

映画『マタンゴ』のスタッフを紹介します。
製作:田中友幸
原案:星新一、福島正実(ウイリアム・ホープ・ホジスン『闇の声』より)
脚本:木村武
撮影:小泉一
美術:育野重一
録音:矢野口文雄
照明:小島正七
音楽:別宮貞雄