映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじと感想

邦画

映画「今夜、ロマンス劇場で」は2018年2月に公開された日本映画です。主演は綾瀬はるかと坂口健太郎です。映画のジャンルとしてはロマンチックコメディと言えるものですが、SF的要素も入ったファンタジー映画と言えるでしょう。

私も何気なく見始めましたが、とても記憶に残る感動的な映画でした。

映画「今夜、ロマンス劇場で」のキャストとあらすじ

舞台は昭和30年代の映画の撮影所です。牧野健司（坂口健太郎）は助監督という雑用係で映画の仕事をしています。当時の立場から言えば牧野は完全な下っ端でいつも怒られたりしながら動き回っている毎日でした。

そんな彼にも楽しみがあるのです。知り合いの映画館ロマンス劇場に行って、閉館後に古い映画を見る事でした。

彼のお気に入りは「おてんば姫と三獣士」というコメディ映画です。モノクロの映画なのですが、ドタバタ劇と言っても良いものです。その主役の姫が美雪（綾瀬はるか）でした。

ある時、牧野がいつものように「おてんば姫と三獣士」を見ていると、雷が鳴って停電してしまいます。そして再び電灯がついたときに、画面から抜け出した美雪があらわれるのです。

美雪は映画そのものから出てきたわけですから。当人はお姫様だと思っています。そして、牧野を下僕扱いすることになります。お

姫様ですから、とてもわがままです。そして気に入らないと簡単に牧野を物で殴ってしまいます。また、モノクロ映画から出てきたわけですから、本人に色がありません。

そんな美雪ですが、とりあえず牧野のアパートに転がり込むことになります。そして、翌日、牧野の仕事場を見に行くことになるのですが、何しろ色がないので、隠して連れていきます。やっとメイクをするとその美しさに見とれてしまいます。

そこからが美雪のお転婆姫の活躍が始まります。何しろお姫様ですから、勝手気ままに行動し、撮影所は大混乱というドタバタ喜劇になっていきます。

それでも上から目線のお姫様の美雪にも少しづつ変化が現れてくるのです。何しろ、美雪はモノクロ映画を通して自分をずっと見続けていた牧野に興味をもって現実世界にあらわれたのですから。

しかしながら、モノクロ映画の中の美雪が映画の世界を抜け出すためには、一つの条件が課せられていたのでした。これはネタバレになりますので解説はしません。

牧野と美雪はこの後どのようになっていくのでしょうか。そしてどんな結末を迎えるのでしょうか。

牧野と美雪を中心に物語は展開されていきますが、途中で牧野にも重大な決断をしなければいけない場面があります。実は社長の娘の塔子（本田翼）が牧野にひそかに好意を寄せていたのです。世間的に言えば絶好のチャンスなのですが、牧野はどのような決断を下すのでしょうか。

映画「今夜、ロマンス劇場で」の感想と解説

この映画は、場合によってはSFとも考えられますが、やはりロマンス映画と考えたほうが良いと思います。

時間空間を乗り越えた牧野と美雪の生末がどのようになっていくのか、とても興味があると思います。私もこの映画を見ていて、胸が締め付けられるような思いになります。現実的ではないのですが、一つの愛の形がどのように築かれていくかを追っていくだけで価値があると思います。

見どころとしては美雪（綾瀬はるか）の美しさでしょう。いろいろな衣装に身を包んで十分に楽しませてくれます。

この映画の最期の方に牧野の役を加藤剛が演じています。これが加藤剛の最後の作品となったとのことで、そういう意味でも貴重な作品です。そして、加藤剛さんも同じような気持ちになっていたことを希望しております。

映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじと感想のまとめ

綾瀬はるか主演のファンタジーとロマンス映画と言える「今夜、ロマンス劇場で」を紹介しました。昭和の香りのする映画の撮影所が主な場面ですので、とても懐かしい感じで見ることができました。

また、綾瀬はるかがとってもきれいに撮られていて、映像的に良いものです。そして、この映画のストーリーが人間と非人間の愛の物語になるわけですから、どんな具合に進行して、どんな結末を迎えるのかが、想像しながら見ていただければと思います。

また、このストーリーは2022年の宝塚歌劇団でも演出されています。やはり、それなりによくできたストーリーなのでしょう。