映画『愛と死を見つめて』あらすじ・みどころ・解説・感想

邦画

1964年9月19日に公開された映画『愛と死を見つめて』.

映画『愛と死を見つめて』の予告編

「愛と死をみつめて」は、大学生の河野實と、軟骨肉腫に見舞われ21歳にして亡くなった大島みち子との、3年に渡った文通を書籍化したものを原作とした映画です。

実際に交わされた手紙をもとにした作品でしたが、「世界の中心で、愛をさけぶ」や「いま、会いにゆきます」などの純愛小説をもとにした映画の先駆け的存在にもなりました。

映画『愛と死を見つめて』のあらすじ(ネタバレなし)

兵庫県立西脇高等学校に通っていたみち子は、顔面に軟骨肉腫ができるという難病を患いました。阪大病院に入院した時、病棟で長野県出身の浪人生であった實と出会います。

互いに18歳であった二人は、阪神タイガース・ファン同士であったことから、意気投合し、次第に文通を始めるのでした。

ミコが京都の同志社大学へ、マコが東京の中央大学へ進学してもなお、文通は途切れることはありませんでした。

ミコの病気が再発し、再入院を余儀なくされたたあとも、マコは夏休みに大阪駅のホームで、ビール売りのアルバイトしてミコを励まし続けます。

映画『愛と死を見つめて』の解説

大和書房より1963年12月25日に刊行された原作本は160万部を売り上げる大ヒット作となりました。

映画は1964年9月19日に公開され、配給収入は4億7500万円を記録しました。

製作と配給は、ともに日活が担っています。長野、大阪、京都がそれぞれロケ地として使用され、主題歌は吉永小百合が歌い、ビクターレコードが請け負いました。

ラジオドラマやテレビドラマにもなっています。

恋人が難病を患い、死に別れるということをテーマにした純愛映画としては、アメリカの映画の「ある愛の詩」が有名ですが、本作は「ある愛の詩」より6年先に公開されていました。

映画『愛と死を見つめて』のみどころ

大学の夏休みが終わり、東京に戻った實との文通がみち子にとって、辛く長い闘病生活の大きな支えになっていくのでした。

實は大学とアルバイトを両立して、長距離電話で話すことでみち子を励ましたり、旅費を工面して阪大病院を訪れるなどし続けます。その中で、2人の愛はどんどん深まっていくのでした。

しかしみち子は手術によって顔の半分を失ってしまいます。顔の半分を失ったにも関わらず、さらにみち子の病状は悪化していくのでした。

そして、實の22歳の誕生日を迎える前日に、自らのメモリアルデーを刻み、この世を去って逝きます。

映画『愛と死を見つめて』の感想

若い二人が、互いの姿を通して見つめたものこそが、愛と死であったのだと考えさせられ、またその純粋に互いを想い、愛する姿に強く胸を打たれる物語でした。

今でも書籍を手に入れることはできますから、書籍を読んでから、この映画を観ると、よりリアルに二人の愛を感じることができるかもしれません。

映画『愛と死を見つめて』の登場人物・キャスト

映画『愛と死を見つめて』の登場人物・キャストを紹介します。

小島道子:吉永小百合
高野誠:浜田光夫
K先生:内藤武敏
オールドミス:初井言栄
小島正次:笠智衆

吉川ハナ – 北林谷栄
中井スマ – 笠置シヅ子
佐竹トシ – ミヤコ蝶々
和歌山のおじさん – 山田禅二

中山仙十郎 – 宇野重吉

映画『愛と死を見つめて』のスタッフ

映画『愛と死を見つめて』のスタッフを紹介します。

監督:斎藤武市
企画:児井英生
脚本:八木保太郎
音楽:小杉太一郎