1996年に公開されたSF映画『マーズ・アタック!』をご存知ですか?ティム・バートン監督が手がけたこの作品は、今見ても色褪せない斬新な映像と、強烈なブラックユーモアで多くの映画ファンを魅了してきました。大きな頭にむき出しの脳みそ、そしてレーザー銃を手にしたユニークな火星人が地球を襲う物語は、笑いとパニックが絶妙にブレンドされた唯一無二の世界観を作り出しています。
この記事では、映画『マーズ・アタック!』のあらすじから、豪華すぎるキャスト陣、そして作品に込められた深いメッセージまで、その魅力をたっぷりとご紹介します。ぜひ、この記事を読んで、笑いと衝撃に満ちたこの映画の世界に足を踏み入れてみてください。
目次
映画『マーズ・アタック!』とは?|あらすじと概要
まずは、この作品の全体像とあらすじを簡単にご紹介します。
作品概要
『マーズ・アタック!』は、1996年に製作・公開されたSFコメディ映画です。監督は、独特の世界観で知られるティム・バートン。実はこの映画、1960年代にアメリカの会社から発売されていたトレーディングカードが原案になっています。カードに描かれた火星人の襲来というシンプルな設定を、バートン監督が自身の美学で大胆に映像化しました。
あらすじ(ネタバレなし)
ある日、突如として地球に無数のUFOが飛来します。そのUFOに乗っていたのは、奇妙な顔つきをした火星人でした。アメリカのジェームズ大統領(ジャック・ニコルソン)は、火星人の意図が分からず、和平か戦争かで政権内が二分します。世間の反応を気にした大統領は、和平を選択し、火星人を歓迎する盛大なセレモニーを企画します。
しかし、セレモニー会場で、平和の象徴として放たれた一羽の鳩が火星人を激怒させ、事態は一変。火星人たちは恐ろしいレーザー銃で人々を次々と攻撃し始めます。この惨劇はアメリカ全土に広がり、人類は絶体絶命の危機に陥ります。果たして、人類は火星人の侵略を止めることができるのでしょうか?そして、火星人の恐るべき真の目的とは一体何なのでしょうか…?
【ここが面白い!】『マーズ・アタック!』の3つの見どころ
この映画の最大の魅力は、単なるパニック映画ではない点です。観客を惹きつけてやまない、3つの見どころを深掘りしていきましょう。
1. ティム・バートン監督ならではのブラックユーモア
『マーズ・アタック!』は、終始コミカルな火星人の動きと、容赦ない暴力が入り混じる、まさにバートン監督らしい作品です。特に、火星人がレーザー銃で人々を攻撃するシーンは、笑いと恐怖が紙一重。風船が割れるように人間が爆発したり、骸骨だけが踊り出したりと、ギャグ漫画のような演出が随所にちりばめられています。不謹慎にも笑ってしまうような、バートン監督のブラックなセンスが光ります。
2. 豪華すぎるキャスト陣に注目!
出演俳優の豪華さも、この映画の大きな魅力です。主人公のジェームズ大統領を演じるのは、アカデミー賞俳優ジャック・ニコルソン。なんと、彼はこの作品で気弱な大統領と強欲な不動産王という一人二役を演じています。その演じ分けは見事の一言です。
他にも、後に『007』シリーズのジェームズ・ボンド役で人気を博すピアース・ブロスナンが、頭脳明晰なドナルド教授を演じ、マイケル・J・フォックス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)も重要な役どころで登場します。伝説の女優シルヴィア・シドニーにとっては、これが遺作となったことでも知られています。知っている俳優が次々と登場するので、それだけでも楽しめます。
3. 痛烈な社会風刺とパロディに満ちた世界
単なるコメディと思われがちなこの映画ですが、実は当時のアメリカ社会を痛烈に風刺しています。和平を主張しながらも世論を気にする大統領、権力争いに明け暮れる政治家たち、そして無責任に騒ぎ立てるマスコミなど、登場人物の多くが人間の愚かさや滑稽さを象徴しています。火星人の襲撃は、私たちの社会が抱える問題をパロディとして描いているとも言えるでしょう。
また、ダニー・エルフマンが手掛けた音楽も、火星人たちの独特な笑い声や効果音と相まって、作品の世界観をさらに高めています。
『マーズ・アタック!』をさらに楽しむための豆知識
- 火星人のビジュアル:大きな頭にむき出しの脳みそ、そして細い体という火星人のデザインは、どこかレトロでコミカルな印象を与えます。彼らの不気味な笑い声や奇妙な動きも、観客の恐怖心を和らげる効果を生んでいます。
- 火星人の言語:火星人たちが話す「アックアックアック!」という言葉は、実は人間の言葉を逆再生したものだそうです。細かい部分まで凝った演出が、作品のユニークさを際立たせています。
- 意外な弱点:圧倒的な強さを誇る火星人ですが、意外な弱点を持っています。それが何なのかは、ぜひ映画を観て確かめてみてください。
まとめ|『マーズ・アタック!』は今こそ観るべき名作
映画『マーズ・アタック!』は、単なるSFパニック映画ではありません。ティム・バートン監督の独特な感性と、ブラックユーモア、そして豪華俳優陣の演技が融合した、唯一無二のエンターテイメント作品です。難しく考えずに笑って楽しむもよし、作品に込められた風刺的なメッセージを読み解くもよし、何度見ても新しい発見があるでしょう。
まだ観たことがない方は、ぜひ一度、この奇妙で魅力的な宇宙人たちの物語を体験してみてください。きっと、あなたの心に強く印象を残す一本になるはずです。