この記事では、1962年4月8日に公開された映画『キューポラのある街』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『キューポラのある街』の予告編
埼玉県川口市の、工場の直立炉、キューポラが立ち並んでいる街で生まれ育った少女、石黒ジュン。
ある日彼女の父親が、工場から解雇を言い渡されてしまい、家計は火の車状態に陥ってしまいます。
そんな中、自力で高校進学のための費用を稼ぐために、ジュンはアルバイトに励むことになります。しかし、父は再就職先での待遇に悩まされ、、
映画『キューポラのある街』のあらすじ(ネタバレなし)
工場のキューポラが立ち並んでいる埼玉県の職人のもとに生まれた、中学3年生の石黒ジュン。
彼女は前向きが長所であり、高校に進学するために日々を過ごしていましたが、突如、父が働いていた工場から解雇を言い渡されてしまい、家計が窮地へと立たされてしまいます。
そして彼女は、自力で何とか高校へと入学する費用を貯めるために、パチンコ屋でアルバイトを務めることになります。
そんな彼女の姿を知った担任教師の力によって、修学旅行へと行けるようになります。しかし、父は再就職先での待遇に悩まされ、再び仕事を辞めてしまうことになって、、
映画『キューポラのある街』の解説
この映画の原作は、早船ちよさんによって書かれた小説、「キューポラのある街」を原作に描かれています。
この小説は、昭和34年から1年間、「母と子」といった雑誌にて連載され、昭和36年で弥生書房で単行本化されると人気を集め、翌年には日本児童文学者協会省を受賞しました。
監督を務めたのは浦山桐郎さんで、浦山さんと師弟関係である今村昌平さんによって脚本が描かれました。
この作品によって、浦山さんはブルーリボン賞作品賞を受賞し、さらに第3回日本映画監督協会新人賞を受賞しました。また、主演の吉永さんも、主演女優賞を受賞しています。
映画『キューポラのある街』のみどころ
この映画の見どころは、当時の社会問題に触れながらも、エンターテイメント性に富んだストーリーだと思います。
貧困問題や朝鮮人差別などの、当時問題となっていた社会問題について触れながら、懐かしい美しい風景と共に、主人公の明るく前向きな性格を中心に進んでいくストーリーは、とても充実したものになっていると感じました。
また、登場人物の思想にも、当時の時代背景などが反映されていて面白いと感じました。どうしようもない困窮した状況の中でも、決して諦めることなく、できることから挑戦していくジュンの姿に感動させられます。
映画『キューポラのある街』の感想
この映画は、1960年頃の独特な雰囲気を感じつつ、当時へとタイムスリップしたかのような感覚を楽しむことができる、とても深い内容のストーリーとなっています。
観た後に、清々しい気分になりました。ぜひみて観てください。
映画『キューポラのある街』の登場人物・キャスト
映画の登場人物・キャストを紹介します。
石黒辰五郎:東野英治郎
トミ(妻):杉山徳子
ジュン:吉永小百合
タカユキ:市川好郎
テツハル:岩城亨
金山ヨシエ:鈴木光子
映画『キューポラのある街』のスタッフ
映画のスタッフを紹介します。
監督:浦山桐郎
脚本:今村昌平、浦山桐郎
原作:早船ちよ『キューポラのある街』
音楽:黛敏郎
撮影:姫田真佐久
編集:丹治睦夫