この記事では、1954年10月27日に公開された映画『大砂塵』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『大砂塵』の予告編
1890年代の西部、アリゾナの鉱山の町に流れ者のジョニーがやってきました。彼は旧知のヴィエンナの下に身を寄せます。
その頃、駅馬車が襲撃される事件が発生しており、ヴィエンナは保安官たちから容疑者逮捕へ協力を求められていました。
しかし、彼女は協力を拒否して、ジョニーにギターで踊り始めます。それに怒った保安官は、ヴィエンナたちに町からの退去を命じるのでした。
映画『大砂塵』のあらすじ(ネタバレなし)
ギターを背負った男ジョニーが、アリゾナの鉱山の町にやってきました。彼は駅馬車の襲撃を目撃しますが、何事もなかったように馬を進めます。
ジョニーが到着したのは一軒の酒場で、女主人のヴィエンナが姿を見せました。男勝りの彼女は、鉄道の開通を見込んで店を開いていました。
すると、そこへ保安官と銀行家・エマが訪れてきます。彼らは、常連客のキッドを駅馬車襲撃事件の犯人と疑っていました。キッドは自分たちのアリバイを主張しますが、保安官は全く信用しません。
保安官たちは、24時間後にヴィエンナの店を閉鎖すると宣言して立ち去りました。ジョニーはヴィエンナと二人きりになると、彼女が未だ自分のことを愛していると知ります。
その翌日、二人は預金を解約するために、エマの銀行に向かうのでした。
映画『大砂塵』の解説
本作は1954年制作のアメリカ映画で、ロイ・チャンスラーの小説が原作の西部劇モノです。制作したのは、西部劇モノを得意としていたリパブリック・ピクチャーズです。
原題は「ジョニー・ギター」ですが、物語の流れは彼を巡る女たちが中心です。
中でも女同士の決闘シーンは、公開当時に大いに話題を呼びました。加えて、主題歌「ジャニー・ギター」は世界的なヒットになっています。
監督のニコラス・レイは米国ウィスコンシン州出身で、50年代アメリカ映画の巨匠です。彼は、ジェームズ・ディーン主演の名作「理由なき反抗」も手掛けています。
ヴィエンナ役のジョーン・クロフォードは、「ミルドレッド・ピアース」(1945)でアカデミー賞の主演女優賞を獲得しました。
映画『大砂塵』のみどころ
本作の見どころの一つは、ヴィエンナ達とエマ達との対決姿勢にあります。ヴィエンナが預金の解約手続きをしていると、キッドたちがエマの銀行を襲撃します。
それは、彼らが駅馬車襲撃の犯人に仕立てられた腹いせです。そのせいで、ヴィエンナもエマから銀行強盗の一味に見なされてしまいます。
エマとしては、それを口実にヴィエンナの殺害を図ろうとします。ヴィエンナはジョニーにお金を渡し、彼を立ち去らせようとしました。
そして、彼女が酒場でピアノを弾いていると、捜索隊が入ってきます。その時、彼女を守ろうとする若者が現れ、捜索隊とひと悶着となります。
その結果、ヴィエンナは縛り首にされるため引きずり出されるのでした。
映画『大砂塵』の感想
本作は女性を中心に展開されており、時代背景を考慮すればかなり先進的と言えます。また、演技派女優が対決しているなど、見どころが満載です。
そして、時代の流れに翻弄される、人間の悲しみや苦しみが見事に表現されているわけです。
映画『大砂塵』の登場人物・キャスト
映画の登場人物・キャストを紹介します。
ヴィエンナ:ジョーン・クロフォード
ジョニー:スターリング・ヘイドン
エマ:マーセデス・マッケンブリッジ
キッド:スコット・ブラディ
ジョン:ウォード・ボンド
映画『大砂塵』のスタッフ
映画のスタッフを紹介します。
監督:ニコラス・レイ
脚色:フィリップ・ヨーダン
原作:ロイ・チャンスラー
撮影:ハリー・ストラドリング
美術:ジェームズ・サリヴァン