映画『さらば、わが愛/覇王別姫』あらすじ・みどころ・解説・感想

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この記事では、1993年1月1日に公開された映画『さらば、わが愛/覇王別姫』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』の予告編

二人の成人男性、小豆子と石頭は元々は京劇の役者です。(小豆子の芸名…程蝶衣。石頭の芸名…段小楼)

文化大革命中は京劇とその役者たちは弾圧をうけましたが、文化大革命から11年たった今、革命トップが失脚したため、ふたたび二人は京劇の名作演目『覇王別姫』の舞台で共演できることになります。

小豆子は、はるか昔1920年代の北京での少年時代のことを回想しはじめるのでした。

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』のあらすじ(ネタバレなし)

文化大革命から11年がたち、革命時はその娯楽性と芸術性から迫害をうけた京劇(ペキン・オペラ)も上演できる世の中にもどりました。

京劇の役者である小豆子と石頭はリハーサルにはげむなか、小豆子はこれまでの人生を頭の中でふりかえるのでした。

文化大革命より昔の第二次世界大戦も前、戦前の北京。小豆子は程蝶衣という芸名、石頭は段小楼という芸名で京劇の劇団のトップスター同士の名コンビとして人気を博していました。

当時の京劇は男性の役も女性の役も、すべて性別は男性の役者によって演じられていました。小豆子は(歌舞伎の女形のように)女性の役を演じるトップスターで石頭は男性役のトップスター。

少年時代から苦楽をともにした親友同士の二人でしたが、石頭が菊仙という女性と結婚したことにより、石頭を兄のように慕う小豆子は菊仙を激しく嫉妬。

小豆子、石頭、菊仙の愛憎の三角関係がはじまります。

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』の解説

京劇のトップスターふたりが主役の映画ということもあり、歌とおどり、殺陣のシーンがたっぷりとあり、それだけでも充分みごたえがありますが、本作の魅力はそれだけに留まりません。

この作品はさまざまな面から楽しめるのです。

恋愛映画としては、主役男性二人に美女があらわれ、愛憎関係になるのですが、二人の男が一人の女を奪い合うのではなく、主人公の小豆子(蝶衣)は石頭をとられたくなくて、石頭の妻となった菊仙に嫉妬します。

もつれあう人間関係と、世界史的に重要な意味をもつ第二次世界大戦もはじまり…と波乱万丈な展開から目が離せないことでしょう。

同性愛的な要素が多く含まれているため、中国と香港(制作当時の香港はイギリス領でした)の合作映画なのに、中国では香港よりも遅れて公開されたという、いわくつき映画でもあります。

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』のみどころ

実際の京劇の人気演目『覇王別姫』の衣装と歌がビジュアル的にも聴覚的にも効果的で、映画をグッと盛り上げています。

『覇王別姫』のシーンは作中で何度も挿入され、さまざまな印象を観る者にあたえてくれます。

小豆子(蝶衣)役を熱演した、今は亡き張國榮(レスリー・チャン)のあやしいまでの美しさを存分に堪能できる大作です。

本作は、小豆子の石頭に対するプラトニックな感情だけでなく、脇役のキャラクターが同性愛的思考に基づいて行動しているとわかるシーンがあります。

異性愛にも同性愛にも重きをおいているスタイルが作品の特徴であり、見どころです。

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』の感想

圧倒的な映画美術のセットの美しさと役者の美しさが、みごとに調和している作品です。

さまざまな形の愛をこの映画をとおして知ることができるのも魅力ですし、激動の20世紀の歴史も知ることができる、いろいろお得な映画です。

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』の登場人物・キャスト

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』の登場人物・キャストを紹介します。

小豆子 程蝶衣:張國榮
石頭 段小楼:張豊毅
菊仙:鞏俐
關師傅:呂齊
袁四爺:葛優

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』のスタッフ

映画『さらば、わが愛/覇王別姫』のスタッフを紹介します。

監督:陳凱歌
脚本:李碧華(蘆葦との共作)
脚本:蘆葦(李碧華との共作)
原作:李碧華