映画『鉄道員』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

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この記事では、1958年10月18日に公開された映画『鉄道員』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『鉄道員』の予告編

イタリアの鉄道員のアンドレアは、自分の意思を貫き通す性格で家族と摩擦を起こしがちな人物でした。家族でアンドレアの理解者は妻のサーラと次男のサンドリーノの2名。

アンドレアの娘であるジュリアは、男性と結婚し家を出ていました。またアンドレアには、もう一人長男のマルチェロがいましたが彼は現在仕事についていません。

やがてアンドレアは、性格的なこともあり家族のみならず職場でも意見を対立させていきます。

映画『鉄道員』のあらすじ(ネタバレなし)

クリスマス・イブの日、鉄道会社の運転手アンドレアを楽しそうに迎えにいく息子のサンドリーノ。2人はとても気の合う親子です。

アンドレアは、性格が頑固であり家族と問題が生じがちでした。娘のジュリアとは結婚の経過で意見が合わずアンドレアは良好な関係とは言い難かったのです。

長男のマルチェロは今のところ、求職中でした。

ある時アンドレアが、勤務中に自殺を行おうとする男性に偶然遭遇してしまいます。たまたまの事故であったがアンドレアの受けた衝撃は大きく、その後運転中に赤信号を見落とし対向車両と、あわや正面衝突を起こしかねないことになってしまいます。

事故は防止できたものの会社はこの事態を重く受け止め、特急列車の運行を止めさせ、古い列車の運転士へと配置転換を行い、給与も減額させてしまいます。

会社でもそして家庭でも不和が目立ちだしたアンドレア。息子のサンドリーノは不安げに父を見つめていました。

映画『鉄道員』の解説

鉄道員は1956年にイタリアで公開された映画です。日本ではその2年後に公開されています。

製作された時代が終戦から10年程度ほど経過して作られたため、映画の中で映し出される鉄道にレトロ感があり、今見ると当時のイタリアの雰囲気を感じる事ができる貴重な映画といえます。

幼い子供の立場から見た家族の絆を描いた名画です。

この映画は日本では1958年に公開されました。モノクロの映画です。一度は誰でも聞いたことがある有名な音楽はイタリアの映画音楽の作曲者として有名なカルロ・ルスティケッリの作品です。

監督でありこの作品の主役も演じたのがピエトロ・ジェルミ。この映画は父と対立した娘のジュリアを演じたシルヴァ・コシナの映画初出演作でもあります。

製作は、数々の名画の製作を行ったイタリア映画界を代表するカルロ・ポンティです。

映画『鉄道員』のみどころ

サンドリーノ少年が幼いながらも家族を守り愛そうとする姿勢が見どころです。

サンドリーノが遊んでいた時に偶然、ジュリアが車で見た事のない男性と話をしていました。不信感を抱くサンドリーノ。そしてサンドリーノは男の車に石を投げてしまいます。

当然この行為は理由の如何を問わず子供でも処罰の対象となり、警察に保護されるサンドリーノ。そして署まで同行を言われる父のアンドレア。

その後家で父と息子が交わした男同士の話し合い。警察でも理由を言わなかったサンドリーノが父に伝えたジュリアを心配したからこその行動。

正当化されるわけではないが子供ながら守りたい家族を守りたいとねがってからこその行為であり、サンドリーノが見せる演技は見せ場といえます。

また家族全員に心から理解を示す妻のサーラの姿勢も素晴らしい演技でありこの映画の見どころとなります。

映画『鉄道員』の感想

父親のアンドレアの子供の中では、素直な人間関係が築き上げている、息子のひとりであるサンドリーノとのかかわりは見ていてほほえましく感じました。

家族は何事の問題もなく平凡な方がいいかもしれませんが、少なからず問題があることは珍しくありません。

鉄道員では、ジュリアやマルチェロとのかかわりを通じて家族の問題を素直に表現したいい映画だと感じました。

映画『鉄道員』の登場人物・キャスト

映画の登場人物・キャストを紹介します。
アンドレア・マルコッチ :ピエトロ・ジェルミ
サンドリーノ・マルコッチ :エドアルド・ネボラ
サーラ・マルコッチ: ルイザ・デラ・ノーチェ
ジュリア・マルコッチ: シルヴァ・コシナ
マルチェロ・マルコッチ: レナート・スペツィアリ
ジジ・リヴェラーニ: サロ・ウルツィ

映画『鉄道員』のスタッフ

映画『鉄道員』のスタッフを紹介します。

監督:ピエトロ・ジェルミ
脚本:アルフレード・ジャンネッティ,ピエトロ・ジェルミ
ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
原案:アルフレード・ジャンネッティ
製作:カルロ・ポンティ
音楽:カルロ・ルスティケッリ
撮影:レオニーダ・バルボーニ
編集:ドロレス・タンブリーニ