映画『モン・パリ』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

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この記事では、1973年9月20日に公開された映画『モン・パリ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『モン・パリ』の予告編

フランスを代表する大女優カトリーヌ・ドニューヴ主演の本作は、パリの下町を舞台に婚約者役のイタリア人俳優マルチェロ・マストロヤが妊娠するという物語のロマンス・コメディ映画です。

ヨーロッパの映画界でも注目を集めたカップルの共演で、「哀しみの終るとき(1971年)」、「ひきしお(1972年」に続く3作目のフランス映画です。

映画『モン・パリ』のあらすじ(ネタバレなし)

運転教習所講師マルコは、美容師であるシングルマザーのイレーヌと婚約していています。

ある夜、2人はディナーで鶏肉料理を終え、マルコはイレーヌが作る鶏肉がいつも調理に時間がかけ過ぎていると家政婦に愚痴を漏らします。

その後、体調がすぐれないマルコは、腹部の膨張感と倦怠感が酷くなり、ホームドクターの元を訪れます。

医者に診てもらったマルコは驚くことに妊娠していると告げられ、検査後に専門医から鶏肉の食べ過ぎでホルモンが女性化し、子供を産むのに必要な体質になっていると明かされます。

医者の勧めでマルコは、男性用のマタニティウェアの会社のモデルとなり、パタニティウェアの新しいラインを制作、宣伝することに協力することになります。

映画『モン・パリ』の解説

この映画で出演のカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニは、当時プライベートでもパートナーであり、2人の共演作として本作は3作目になります。

主題歌のモン・パリは世界でも最多となるシャンソンを記録したフランスの歌手ミレイユ・マチュー本人の曲で、映画公開当時、大人気のシャンソン歌手でした。

この映画はフランス版とイタリア版で二つのエンディングが用意されており、フランス版ではマルコが妊娠によってヒステリックになったと診断されイレーヌを悲しませます。

イタリア版ではマルコは自分が誤診され、結婚式で突然出産したことに気づくという、二つのストーリーがあります。

映画『モン・パリ』のみどころ

製作当時、公私共に中の良かったフランス人女優カトリーヌとイタリア人俳優マルチェロの息のあった演技が大好評で、男性が妊娠するというテーマでコミカルに描かれています。

フランスらしいレトロな背景と、映画に登場する俳優や女優のファッションも見どころです。

仕事も順調に行っている主人公は婚約者と異例の妊娠をめぐって、結婚式当日までてんやわんやの事態に発展していきます。

またアカデミー賞を受賞しているフランスの大女優カトリーヌの若き日の美しい演技と、マルコの妊娠騒動につきそう役を初々しく演じているシーンに最後まで目が離せません。

映画『モン・パリ』の感想

フランスらしい、レトロや背景と当時全盛期であったシャンソンによる演出が印象的な映画です。

シングルマザーの息子にフィアンセが妊娠したという事実を打ち明けるシーンは、笑いをそそり、フランスの家族らしい風景が面白い展開です。

映画『モン・パリ』の登場人物・キャスト

映画の登場人物・キャストを紹介します。
イレーヌ・ド・フォントノワ:カトリーヌ・ドヌーヴ:美容院のマダム
マルコ・マゼッティ:マルチェロ・マストロヤンニ:自動車学校の経営者
ドゥラヴィーニュ:ミシュリーヌ・プレール:マルコを診察した女性医師
マリア・マゼッティ:マリサ・パヴァン :マルコの前妻
リュシアン・スーマン:クロード・メルキ:マルコの同僚
ミレイユ・マチュー(本人):人気歌手
ルミュ:アンドレ・ファルコン

映画『モン・パリ』のスタッフ

映画のスタッフを紹介します。
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
製作:レイモン・ダーン
音楽:ミシェル・ルグラン
撮影:アンドレア・ウィンディング