映画『怒りの葡萄』あらすじ・みどころ・解説・感想

洋画

この記事では、1940年1月24日に公開された映画『怒りの葡萄』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『怒りの葡萄』の予告編

1930年台のアメリカでは、大規模な資本主義の発達の代償として、開墾によって発生した砂嵐、ダストボウルが深刻な社会問題になっていました。

ダストボウルによって、所有している農地が耕作不能となってしまう農家が多発してしまい、主人公、トム・ジョードの実家もその影響によって、カルフォルニアへの移住を考え、、、

映画『怒りの葡萄』のあらすじ(ネタバレなし)

世界恐慌の影響によって、大規模な資本主義が発展していった1930年大アメリカ。

そんなアメリカでは当時、開墾によって発生した砂嵐、通称ダストボウルが深刻化してしまって、所有地が耕作不能に陥ってしまった農民が多発するなど、社会的な問題になっていました。

オクラホマ州の農家に生まれたトム・ジョードは、人を殺してしまった罪によって捕まっていましたが、4年間の時を経て仮釈放され、実家へと戻ってきました。

彼の実家は、ダストボウルによって悩まされていたのです。生活に困窮してしまった一家は、カルフォルニア州への引っ越しを考え、、、

映画『怒りの葡萄』の解説

この映画は、ジョン・スタインベックによって書かれた小説、「怒りの葡萄」を原作として制作されました。

この原作が評価されたことを受け、スタインベック氏はピューリッツァー賞だけでなくノーベル文学賞をも受賞しています。

この映画は、第13回アカデミー賞にてジョン・フォードが監督賞を、ジェーン・ダーウェルがアカデミー助演女優賞を受賞しています。

また、ニューヨーク映画批評家協会賞では作品賞を、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では作品賞を受賞しています。そのほかにも、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞にノミネートされています。

映画『怒りの葡萄』のみどころ

この映画の見どころは、主人公の前に立ちはだかってくる見えない壁を、人間の言葉によってわかりやすく具現化していることだと思います。

アメリカで当時問題となっていた社会情勢を踏まえつつ、登場人物の心境に優しく寄り添うようなストーリーには驚かされます。

労働問題といった難しいテーマを扱っているにもかかわらず、物語としての魅力を損なうことなく、ありありと描ききっていることがこの作品の魅力だと思います。

また、この作品は原作をベースに話が進んでいくため、原作を読んでいた人は、よりこの作品を堪能できると思います。

映画『怒りの葡萄』の感想

資本主義の拡大の背景に隠された、公害問題を扱った本作は、難しいテーマなのに物語性があって、作品としての魅力に溢れている映画だと思います。

何度も見て、考察を繰り返すとよりこの作品を楽しめるのではないかと思います。

映画『怒りの葡萄』の登場人物・キャスト

映画『怒りの葡萄』の登場人物・キャストを紹介します。

トム・ジョード:ヘンリー・フォンダ
トムの母:ジェーン・ダーウェル
ジム・ケイシー:ジョン・キャラダイン
トムの祖父:チャーリー・グレイプウィン
ローザシャーン:ドリス・ボードン
トムの父:ラッセル・シンプソン
アル:O・Z・ホワイトヘッド

映画『怒りの葡萄』のスタッフ

映画『怒りの葡萄』のスタッフを紹介します。

監督:ジョン・フォード
脚本:ナナリー・ジョンソン(英語版)
原作:ジョン・スタインベック『怒りの葡萄』
製作:ダリル・F・ザナック
音楽:アルフレッド・ニューマン
撮影:グレッグ・トーランド